つれづれおきば。

筆名「わらび」の一次創作置き場。SSだったり短歌だったり。

【短歌条例】こうもり塚古墳にて

Twitterにて、初めて「#短歌条例」タグにチャレンジした作品です。
五七五七七(三十一文字)を連ねて小説にしてみました。
本文はつづきより。

 

 

【こうもり塚古墳にて】

 

黒媛の影が見えると言ったのは、死んだ隣の爺さまだった。
男性にしか見えないと聞いたから、きっと私は見えないけれど。
春蝉がこっちこっちと急かす中、ぽっかり空いた石室に行き立ち尽くす。
石室の中ひっそりと広がる闇に目を凝らしては、いにしえの悲劇の姫のその影を探してみても見つからなくて、女性ではやはり無理かと悄気返る。
悔しいような寂しいような、複雑な気持ち抱えた帰り道、のんびり風に揺れるレンゲを見ていたら、心がちょっとだけ軽くなった気がした、春のおはなし。


【以上、八首分】

 

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素敵なタグを見つけてしまったので、ルールも分からないままお試しで書いてみた作品でした。
亡くなった隣のおじい様からの情報という部分以外は実話でお届けしました。
今年(2018年)に初めてこうもり塚古墳を散策させていただきましたが、その際にガイドの方から伺った話です。
「男性にしか姿を見せてくれんのよ~」とお話ししてくださったガイドの方の笑顔が忘れられません。

 

古墳の中に入ると、毎度そわそわわくわくしてしまいます。
写真はこの時に撮らせていただいたものを使用しました。
男性の方には写真越しでも黒媛の影は見えるのでしょうか。
気になります。