つれづれおきば。

筆名「わらび」の一次創作置き場。SSだったり短歌だったり。

【Twitter300字SS】還る場所

Twitter300字SS第43回お題「空」より。
https://twitter.com/Tw300ss/status/1000345815662014464
本文はつづきより。

 

【還る場所】


 還るなら土ではなく空に還りたい。何処までも遠く澄んだ青い空に。
 そう言ったのは誰だったか。地べたに倒れ込んだまま、ふとそんなことを思った。
 誰かに尋ねてみたかったが、隣で同じように倒れたままの戦友は疾うに息をしておらず、大砲の炸裂音と小銃の破裂音、敵方の怒号が飛が立び交う中では無理な話だ。
 ならせめて。

「俺も空へ還りたいなあ」

 最期の一言にしては不出来なものだが、これでいいと目を閉じた時、闇に落ちる視界の端で青空色の裾が翻った気がした。
 ああ、そうか。
 青空は、あの色は、自分たちが信念として貫いてきた「誠」の色だ。
 ならきっと、同じ色の空へ還れるだろう。これは犬死にではない。自分の誠を貫いた結果なのだから。


【300字(改行・スペース含まず)】

 

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今回の画像に使用した写真は、会津旅行に行った際に鶴ヶ城から撮った会津の山並みです。
確か磐梯山だったと思います(うろ覚え)

と言う訳で、大好きな新選組を意識した作品にしてみました。
戊辰戦争時(できれば会津戦争)を想定しています。
実際に会津戦争でも新選組隊士の戦死者は出ています。
恐らくあのだんだら羽織を実際に着た世代ではないのですが(意外にもあの羽織の使用期間は短い)
だからこそ、憧れの色という(実際の隊士たちにはかっこ悪いと酷評も受けたようですが)

浅葱色の羽織は空の色だと勝手に解釈しています。
悪徳に染まらない美しい誠の色だと。

語り出したら長くなりそうなのでこの辺にしておきますが、暗い内容ながらさらっと書けました。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。