つれづれおきば。

筆名「わらび」の一次創作置き場。SSだったり短歌だったり。

【Twitter300字SS】遊びの恋と本気の恋と

Twitter300字SS第42回お題「遊ぶ」より、2作目。

https://twitter.com/Tw300ss/status/990198953210593280
本文はつづきより。

 

 

【遊びの恋と本気の恋と】

 

 彼にとって遊びだったことは分かっていた。在学中だけのお試しのような恋愛。
 事実、卒業を機にきっぱり別れた。最初から一庶民が手を出せるような相手ではない。
 それでも、私は本気だった。本気で彼に恋して、本気で彼を愛した。私の差し出せるだけの「初めて」を彼に捧げて、その時の思い出と温もりを後生大事にこの胸の中だけに閉じ込めて生きていこうと思うほどに。
 それで満足だったのに。

 

 五年も経った今になって、何故目の前に彼がいて跪いていたりするのだろう。

 

「遊びじゃなかったの?」
「遊びで手を出すか」

 

 五年待たせたが、やっと一族から解放された。やっとお前と一緒に生きていける。
 そう言って彼は私の手を取った。

 

「だから俺を選べ」

 

 

【300字(改行・スペース含まず)】

 

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今回は連休中で時間が取れたので、全く違う話を2種用意しました。
1つ目は何とも暗い話だったので、こちらはハッピーエンドにしてみました。
文章版、画像版どちらも用意しました。
写真、まさかぴったりの場面が素材としてあってびっくりしましたが、ありがたや。

 

これも元々短編小説として温めていたネタを利用しています。
元ネタの彼女は、もっとさっぱりした性格なんですけど。
五年待ってくれるかしら。

 

いつか、この話をちゃんと短編小説として仕上げられたらなと思いつつ、早10年経ちました。
もう供養みたいなもんです。
ごめんよ、産み出せしてあげられなくて。
そんな話の種たちが地層のように頭の中で積み重なって圧縮されています。
ごめんよ、ごめんよ。