つれづれおきば。

筆名「わらび」の一次創作置き場。SSだったり短歌だったり。

【Twitter300字SS】Forget-Me-Not

Twitter300字SS第34回お題「渡す」より。
https://twitter.com/Tw300ss/status/878583558662569985
本文はつづきより。




「僕が死んだら開けてくれ」

ある日、親友から意味深長な言葉と共に白い箱を渡された。
染み一つなく真っ白で、手の中に収まるほど小さな箱だった。

「死んだらって何。冗談?」

文句を言っても、彼は笑うだけ。
ただ箱を押しつける手の力は強かった。

暫くして、彼が死んだ。
本当に死んだ。
実に呆気なく、親友は目の前から消えてしまった。
病気、だったらしい。
葬式の時になって初めて知った。

その晩、あの箱を開けた。
中には小さな青い花のブローチが一つだけ。
花言葉は、かの有名な。

「馬鹿」

そう面と向かって言いたい相手は、もう空の上だ。

花言葉に込められた彼の願いは成就するだろう。
彼を忘れるなんて「わたし」にはもうできはしないのだから。


【300字(改行含まず)】


今回のお題「渡す」ということで、謎の箱を渡されるお話にしました。
最初はホラーだったんですが、最終的には恋愛に落ち着きました。
Twitterでの紹介でジャンルをぼかしたのは、本来のジャンルの「恋愛」と書くと「わたし」の正体がばれちゃいますので。
タイトルは盛大なネタバレですが。

男女間の友情って、本当に成立するのですかね。
悩ましいです。