つれづれおきば。

筆名「わらび」の一次創作置き場。SSだったり短歌だったり。

【Twitter300字SS】あいあいがさ、いまむかし。

Twitter300字SS第33回お題「かさ」より。
https://twitter.com/Tw300ss/status/868436704025165824
本文はつづきより。




「相合傘なんてできるか。かっこ悪い」と彼は言った。
中学生の頃だったか。
夕方から急に降り出した雨に困っていた彼を見かねて誘ったけれど、幼なじみの彼はそう言い残し雨の中を走っていってしまった。
翌日風邪で欠席したみたいだけど。


そして今日も、夕方になって雨が降り出した。
玄関を見ると、彼愛用の傘が残ったまま。
やっぱりとため息をつき、傘を届けに駅へと向かう。

改札を出てきた彼は、わたしを見つけると、何故かわたしの傘を取り上げ自分の傘だけ広げた。
無言で入れと急かされる。

「相合傘はかっこ悪いんじゃなかったの?」

隣を見上げると、あの時より大人びた声で「俺より背の高かった女の傘に入れるか。かっこ悪い」と彼は言った。


【300字(改行含まず)】


今回のお題は「かさ」ということで、ベタに「相合傘」で書いてみました。
相合傘を巡る幼なじみの男女の今昔物語。
自分の幼なじみも中学当時はこちらより背が低かったので参考にさせていただきました。
参考なので、今回の話は別に実話ではありませんが。
大人になって変わったもの、変わらなかったもの、そして大人になった彼の今の心境などを想像しながら読んでいただけると嬉しいです。

しかし、いつも以上に文末が淡々となってしまった。
リズムが悪いなあ。
気を付けねば。